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オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」 (講談社現代新書)
本, 鈴木 董
によって 鈴木 董
4.1 5つ星のうち 26 人の読者
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内容紹介 西欧人の見た「残虐な征服者」は、西欧をはるかにこえる先進国だった。羊飼いでも大臣になれる開放的な社会。キリスト教世界で迫害されたユダヤ難民を受け入れた宗教的寛容性。多民族・多宗教の超大国を支えた「柔らかい専制」の秘密に迫る。ユダヤ難民を保護した寛容性――近代西欧を見なれた我々にとって、西欧社会は開放的で合理的な社会だというイメージが定着している。そして、キリスト教も、合理的で寛容な宗教とイメージされがちである。これに対し、イスラム世界は閉鎖的で非合理的な社会であり、イスラムは不寛容な宗教だというイメージが強い。しかし、少なくとも中世から初期近代までは、実態はむしろ逆であった。……15世紀以降になると、それまではムスリムの支配下に安全に暮らしてきたスペインのユダヤ教徒も、(キリスト教徒に)厳しく迫害されるようになった。この時、迫害に耐えかねた彼らが安住の地として大量に移住した先が、オスマン帝国だった。ノーベル文学賞受賞者であるオーストリアのエリアス・カネッティも、彼らの子孫の一人である。かつてはオスマン領だったブルガリアのルスチュクに生まれ、ユダヤ人差別の存在をまったく知らずに育った。スイスの学校に入ってはじめて自分が差別される存在であることを知ったと、その自伝で述べている。――本書より 内容(「BOOK」データベースより) 西欧人の見た「残虐な征服者」は、西欧をはるかにこえる先進国だった。羊飼いでも大臣になれる開放的な社会。キリスト教世界で迫害されたユダヤ難民を受け入れた宗教的寛容性。多民族・多宗教の超大国を支えた「柔らかい専制」の秘密に迫る。 著者について 1947年、神奈川県に生まれる。1970年、東京大学法学部卒業。1982年、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。現在、東京大学東洋文化研究所教授。著書に、『図説イスタンブル歴史散歩』――河出書房新社、編著書に、『図説イスラームの世界史全三巻』――講談社現代新書――などがある。
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最近、民法BSテレビで放映されているトルコ制作のテレビドラマの影響でオスマン帝国史に興味を持ち本書を購入しました。新書という文字数の制約上、オスマン帝国の通史というより概説かな?という感じです。私たち日本人には馴染みの少ないこの国が、いかに「西欧中心史観」により歪められたイメージを植え付けられたかを解説してくれます。例えば東洋的な専制の国、(ヨーロッパから見た)トルコの脅威、コンスタンティノープルの破壊者、官能的なハーレムの秘められた世界etc.オスマン帝国の人々は、決して武力一本やりの征服者ではなく、芸術を愛し、詩を好み、花を愛でる心を持った人々でした。また、東西交易の二大センター(北のアナトリア、南のシリア・エジプト)を押さえていたため15世紀から16世紀後半にかけて屈指の経済大国であったと。異国からの商人・旅人たちを歓迎する開かれた帝国であり、キリスト教徒によるムスリムに対する失地回復運動(レコンキスタ)により迫害に耐えかねたイベリア半島のユダヤ教徒が安住の地として大量に移住した先がオスマン帝国であったという。最盛期のオスマン帝国の領土は、アナトリアとバルカン半島を中心に現在のイランとモロッコを除く中東のほぼ大部分に及んでいた。そこでは、民族も宗教も異にする多種多様な人々をゆるやかに一つの政治社会の中に包み込む統合と共存のシステムが機能していた。イスラム教だけではなく、キリスト教徒、ユダヤ教徒、マニ教徒、ゾロアスター教徒、遂にはヒンドゥー教徒や仏教徒さえも!西欧に先駆けて君主専制的かつ中央集権的な支配の組織と強大な常備軍を要して、対内的には「ゆるやかな統合と共存のシステム」に外枠を与え、対外的には東西からの外敵の侵入を防いだ。著者はこれを「柔らかい専制」と呼んでいる。この本のテーマは、世界史上でも類例の少ない「柔らかい専制」にこそ異例に長寿な超大国を生んだ秘密があると喝破して、13世紀末のオスマン帝国の原初から、18世紀末に「西洋化」によって体制が根本的に変容し始めるまでの5世紀間にわたる歴史を描いている。私たち読者は、この書物から過去に「広大な領域と多様な人間集団を有する」オスマン帝国というユニークな国家が存在したことに興味を持つだけではなく、かつてのオスマン帝国の旧領域で旧ユーゴスラビア崩壊に伴う悲惨な内戦や周辺各国の思惑が複雑に交錯したシリア内戦、国無き民クルド民族問題、さらにはイスラム過激派が何故伸張するのか…等の視点を得ることができるのではないかと思います。さらには、価値観が多様化している現代日本の「格差社会」「外国人労働者」「性的ジェンダー」等を考えるうえで多くの示唆を与えてもらえるのではないでしょうか。
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